2002年2月の総理大臣施政方針演説に始まり、「知的財産戦略大綱」決定(同年7月)、「知的財産基本法」公布(同11月)と、日本の知財立国への取り組みは近年異例の速さで進展し、2003年7月には「知的財産推進計画」決定に至った。
今後、産業の国際競争力を高め、経済・社会の活性化を図るためには、知財の創造・保護・活用を通じた知的創造サイクルを確立していくことが不可欠である。このためには、国、地方自治体、その他公的機関を始めとして、民間企業、弁理士・弁護士等の関連専門職などが知的創造サイクルに積極的に働きかけていくことが必要となる。
現在、知財実務と技術に明るく、知財政策・戦略の企画立案、実行と評価を適切な専門的知見により解析することができる知財エキスパートの育成が急務となっている。例えば、社会に有益な発明・発見・著作等を生み出すことに対してどのような範囲・程度の保護を与えることが、それら活動の活性化に対するインセンティブとして適切であるのか、保護の実効性確保のためには法制度・行政活動・司法的救済をどのように組み合わせるべきか、そして、知財の流通・実現といういわば権利の取引費用を極小化するために関係主体が留意すべき点は何か、等々の実践的な課題に対して適切な解を提供できる人材が国家、地域、技術開発現場の各レベルにおいて必要とされている。このような戦略的な地域・産業振興を担う人材を輩出できるかどうかが、21世紀の日本全国・各地域の浮沈を決すると言っても過言ではない。
本学は国立政策研究・教育機関としてのこれまでの豊かな蓄積を基に、学内外の気鋭の知財研究者・専門家を集結させることで知財と政策に関する世界に誇れる人材を養成すべく知財プログラムを発足させた。
法学と経済学とを結ぶ「法と経済学」の分析手法、知財法務や実務、そして、知財を支える最先端の技術の動向など、本プログラムで習得しうる知見の奥行きは深く、領域も広い。また、その応用可能性・汎用性は高い。意欲と能力に溢れる人材の集結に期待する。 |